お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
いつもの修矢はぶっきらぼうで上から目線。態度が軟化したら調子が狂ってしまう。
「せめて婚姻届を今日出すつもりでいることくらいは言っておくべきだったな」
「もういいですから」
ここへ来るまでの車の中でも修矢はそうだった。ずっと謝り通し。
誤解が解けて丸く収まったのだから、その話はもうそれで終わりでいいのだ。
「千花、これからはお互いに考えていることや思っていることは伝えていくようにしよう。特に、兄貴にだけ相談するのは勘弁してくれ」
手を伸ばした修矢が千花の頬に触れる。
「それってヤキモチですか?」
からかうような口調で千花が言うと、「だったら悪いか」と修矢は不満そうに目を細めた。
全然悪くなどない。それどころか千花は嬉しくてたまらないくらいだ。
「とにかく、千花も思っていることは全部俺に言うこと。いいな?」
「そうですね。疑問に思ったら、直接修矢さんに聞くことにします」
直接聞かずにひとりで思い悩むことは、もうやめにしよう。