お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「ひとまず俺が今住んでいるところで生活を始めよう」
「修矢さんの部屋で?」
「完成したばかりのマンションに先月越したばかりなんだ。3LDKあれば、ふたりで生活する分には問題のない広さだろう」
「さ、3LDK……」
思わず繰り返して呟きながら、千花はため息を漏らした。
さすがにエリート外科医。レベルが違う。千花が両親と暮らしているマンションですら2LDKだ。たったひとりで暮らしているのに三つも部屋があってどうするつもりだったのだろう。
「まだ荷物の整理もできていないし片付いていないが、かえってちょうどいい」
「……そう、なんですか……」
もはや千花は、会話にすらついていけない。
医者というのは、こんなにも行動力があるものなのか。
これまでに病院の診察以外でその手の人たちと関わったことのない千花には、未知の世界といってもいい。
「とりあえず千花の身の回りのものを準備しておいてくれ」
「はい。……ってちょっと待ってください!」
千花は頷いてから、慌てて修矢を止める。うっかり流されるところだった。