お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

◇◇◇

千花が両親と暮らすマンションの前に車を停車させた修矢は、なぜか運転席から降り立った。

いったいなにをするのかと目で追いながら千花が助手席のドアに手をかけると、回り込んできた修矢が先にドアを開けた。しかも手まで差し出している。

(これって、まさかのエスコート?)

ドキッとさせられながら、優しく手を引き上げられ千花が降り立つ。ほんの数秒だけ触れ合った手はすぐに離れた。

修矢がそんな気の利いたことをするとは思わず、また、自分がそんな扱いをされるとも思わず、千花は激しく動揺する。


「……いきなりどうしたんですか?」


千花が聞きたくなるのも当然だろう。


「優しくしなきゃ好きにならないと言ったのはキミじゃなかったか」


そうは言っていない。せめてもう少し優しくとお願いしたのだ。

修矢は後部座席のドアを開け、赤い傘と紙袋を取り出した。千花が貸していた傘と、紙袋はおそらく洗濯したタオルだろう。

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