お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました

「明日の夜、電話するよ」


修矢はそう言うと、千花の唇にやわらかなキスを落とした。羽毛でふわりと撫でられたようだった。
さっきと同じくらいの早業が千花の動きを封じ込める。千花はその場で棒立ち状態になってしまった。


「五回」
「……はい?」
「五回キスするまでに俺を好きにさせるから。じゃ」


修矢は唇の端に魅惑的な笑みを浮かべたかと思えば颯爽と車に乗り込み、あっという間に走り去っていった。


「なにそれ……」


無愛想で俺様な態度をしておいて五回のキスで好きにさせるとは、どれだけ自信があるのだろう。


「……あ、肝心なことを聞きそびれちゃった」


遠くなったテールランプを見ながら独り言ちる。

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