お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
◇◇◇
「やっと脱げた……」
着物をハンガーに掛け、千花はようやく部屋着に着替えてベッドに腰を下ろした。足袋を脱いだ素足には、修矢が丁寧に手当てをしてくれた絆創膏が貼られている。
(愛想はないし俺様だけど、もしかしたら優しいところもちょっとはある?)
結婚相手に少しでも良さを見い出そうという気持ちが働くのか、千花は些細なことを大げさに考えてみた。
身体が楽になり落ち着いたところで、さっき修矢から手渡された紙袋が目に入る。ベッドから手を伸ばしてそれを引き寄せ、中も確認せず手を入れると、タオルとは違うものが手に触れた。
「え、なに?」
千花は慌てて手を引っ込め、中を覗き込んでみた。
「嘘、お花……?」
それは、片手で楽に持てるくらいの小さな花束だった。タオルと傘を貸したお礼のつもりなのか。