お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
「意外と気が利く……?」
無愛想で俺様な態度とのギャップに、千花はなんだかおかしくなってクスッと笑った。やることと言動が合っていない。
紙袋からタオルを取り出してみれば、ふわりと柔軟剤のいい香りが舞った。
「私、本当に結婚するんだ……」
ポツリと口にしてハッとする。そうだ。のんびりしている場合ではない。式場を探さなくてはならないのだ。
その前に、東子(とうこ)に電話をしようと、千花はスマホの連絡先を開いた。
相楽(さがら)東子は千花の高校時代からの親友である。高校の三年間を同じクラスで過ごし、文化祭も体育祭も修学旅行はもちろん、なにをやるにも彼女と一緒だった。
明るく活発的でクラスの中心的な人物。黙っていても人が集まるタイプの東子は、千花の頼れる親友である。ショートカットのヘアスタイルは、出会った当時からずっと変わらない。
千花が結婚することになったと報告すると、東子は耳からスマホを遠ざけたくなるほどの大きな声で『ええーっ!?』と叫んだ。普段からはきはきと大きな声でしゃべる東子だが、限界を振り切ったと思うほどで、千花は喉の心配をしてしまう。