年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
そう言われた瞬間、びくりと震えが走った。
(今後……そうだ。今後のことを輝に言わないと…)
ハッとして顔を上げ、驚くような目で私を見返す輝を視界に収める。
ごくっと喉を鳴らす。
自分の家のことを輝に告げないと___
「あの……輝」
ぎゅっと手を握って声を発した。
輝は私を見たまま首を傾け、不思議そうな顔をする。
ここで声を出さなきゃ駄目だ。
ちゃんと家計の状況を言わないと。
「あの…私も輝に言わなきゃいけないことがあるの」
一気にそう言って息を継ぐ。
きゅっと一度唇を結び、意を決して続けた。
「もうずっと前からなんだけど、うち…凄い借金を背負ってて。それは父が、親友の借金の保証人になったからで、私達がそれを返済する義務はないんだけど、父と母の収入だけじゃ賄いきれなくて、だから私も郁も、自分達が出来る範囲でずっと家計を助けてきたの」
ぐっと呼吸を止めて思い返した。
家計を切り詰めて、頑張り続ける母の姿を__。
(今後……そうだ。今後のことを輝に言わないと…)
ハッとして顔を上げ、驚くような目で私を見返す輝を視界に収める。
ごくっと喉を鳴らす。
自分の家のことを輝に告げないと___
「あの……輝」
ぎゅっと手を握って声を発した。
輝は私を見たまま首を傾け、不思議そうな顔をする。
ここで声を出さなきゃ駄目だ。
ちゃんと家計の状況を言わないと。
「あの…私も輝に言わなきゃいけないことがあるの」
一気にそう言って息を継ぐ。
きゅっと一度唇を結び、意を決して続けた。
「もうずっと前からなんだけど、うち…凄い借金を背負ってて。それは父が、親友の借金の保証人になったからで、私達がそれを返済する義務はないんだけど、父と母の収入だけじゃ賄いきれなくて、だから私も郁も、自分達が出来る範囲でずっと家計を助けてきたの」
ぐっと呼吸を止めて思い返した。
家計を切り詰めて、頑張り続ける母の姿を__。