年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
(でも、それも俺に自信が無かっただけなんだと言えば、望美は分かってくれるだろうか)
はぁ…と息を吐き出して立ち止まる。
そこには二人で入ったバーが見えていて、あの日の会話が浮かんできた__。
「うちの両親ね、『いい夫婦の日』が結婚記念日なのよ」
何だか嬉しそうに話していた彼女の顔が思い出された。
俺はその時、望美みたいな女性と居れば、自分もいつかは幸せになれるんじゃないのか…と考えた__。
「そうだっ!」
もしかしたら彼処かも…と踵を返す。
あの日、俺の申し出をずっと断り続けてきた望美が、ようやく「うん…」と頷いた場所が思い付いていた。
俺達はあの日、あの場所で初めてのキスを交わした。
それを今でも忘れておらず、色褪せない記憶として自分の脳裏に焼き付けている。
走り始めたところへ掛かってきた電話。
望美の弟は「あいつ、ようやく電話に出たよ」と憤りながらも、俺が向かっている場所を教えてくる。
「俺が探しているとは?」
「そんなこと言ってないっすよ。言ったらまた逃げそうな気がしたし、俺は基本、姉に幸せになって欲しいだけですから」
下らない話をして電話を切った…と話す相手に礼を言う。
そして俺は、一目散にその場所へ向かってダッシュした。
はぁ…と息を吐き出して立ち止まる。
そこには二人で入ったバーが見えていて、あの日の会話が浮かんできた__。
「うちの両親ね、『いい夫婦の日』が結婚記念日なのよ」
何だか嬉しそうに話していた彼女の顔が思い出された。
俺はその時、望美みたいな女性と居れば、自分もいつかは幸せになれるんじゃないのか…と考えた__。
「そうだっ!」
もしかしたら彼処かも…と踵を返す。
あの日、俺の申し出をずっと断り続けてきた望美が、ようやく「うん…」と頷いた場所が思い付いていた。
俺達はあの日、あの場所で初めてのキスを交わした。
それを今でも忘れておらず、色褪せない記憶として自分の脳裏に焼き付けている。
走り始めたところへ掛かってきた電話。
望美の弟は「あいつ、ようやく電話に出たよ」と憤りながらも、俺が向かっている場所を教えてくる。
「俺が探しているとは?」
「そんなこと言ってないっすよ。言ったらまた逃げそうな気がしたし、俺は基本、姉に幸せになって欲しいだけですから」
下らない話をして電話を切った…と話す相手に礼を言う。
そして俺は、一目散にその場所へ向かってダッシュした。