年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
まあ娘婿に出来なかったのは少し残念だとしても、これもまた縁だからね…と頷いている。


「それよりも社長」


輝は声を引き締めると両手を膝の上に置いて握る。
土井社長も顔つきの変わった相手を見つめて、どうした?と声をかけ、私も何かあったのかと緊張が過った。


「実は、社長にお願いがあるんです」


ビジネスとして…と言い出す輝に、え?と首を傾げる。

彼は私の方へ向くとニヤリと微笑み、その案件について語りだした。
そして内容を聞いた私は驚き、一体何を言い出すの!?と慌てた。


「ちょっと、輝…!」


幾ら何でもそれは…と突拍子もない提案に言葉が詰まる。
頼むから断って欲しいと社長さんの方を振り返ってみると、土井社長はニコニコとした表情でいて……。


「まあ考えてみよう」


あっさりと請け負って返事をした。


「あ…あの?」


そんな恐れ多い…と断りを言う暇もなく、接待があるから失礼すると言って社長さんが立ち上がる。


「さっきの件、内容が詰まったら持っておいで」


そう言うと微笑んで部屋を出て行こうとする。

< 152 / 194 >

この作品をシェア

pagetop