年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
「私は、お母さんの味方ですから。どんなに下手な恋愛をしても相手のことを思い続けて、苦しいだろうとは思うけど待っていて、それはなかなか、普通では出来ないことだと思って、感心しています」



あっ、偉そうだった…と思い肩を竦める。
出過ぎたことを言って……と頭を下げると、ポンポンと撫でられ、涙ぐんだ様な声で、ありがとう…とお礼を返された。


「そんな言い方してくれる人って殆どいないのよ。
皆、不倫とかやるもんじゃないと言うし、ましてや愛人なんて何のメリットもないと言うの。
輝なんて、私のこともあの人のことも滅茶苦茶に貶すし、一緒に居て笑ってくれたこともないくらいに私達を毛議らってることもちゃんと知ってるわ」


いい親ではないと思う。だけど、自分はこんな風にしか生きれないんだ…と涙を浮かべる。


「…でも、輝のことだけは見捨てないでやってね」


手を握り返すと願い、偉そうにお願いできる様な立場じゃないんだけど…と呟いた。

寂しそうに笑うと、はらはらと涙が溢れ落ちてきて、その様子を見つめながら胸の奥が痛み、ただ何よりも自分が孤独になることを恐れて、藁にもすがる様な気持ちで、彼の父親を待っているんだろうな…と思うと、胸が苦しくて押し狭まった……。


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