元ストーカーの夫は、
***
自ずと、漏れそうになる溜息をのみ込む。
……今日の遥は、なんだかいつもと違って頑固だ。
いつもだったらすぐに折れてくれる遥だけれど、今日は絶対的な自身でもあるのか、全然折れてくれる気配はない。
───でも。
だからといって、私も折れるつもりはないのだけれど。
夕食後、いつものように遥とならんで食器を洗う。
食器乾燥機はあるけれど、遥が私と一緒にキッチンに立ちたいといって、いつも隣に立って彼がお皿を拭くのが日課で。
だけど“いつも”と違うのは、私と遥の間に妙に“距離”がある事だ。
悔しいけれど、それを少しだけショックに感じている自分もいて。
なにもここまで徹底しなくてもいいのに、なんて、自分の事は棚に上げてチクリと心の中で呟いてしまう。
でも、私にも意地があって。
本当、可愛くないなぁって自分でも思うけれど、ここまで意地を張ってしまった手前、今更素直になる事も出来なくて、黙々と食器を洗い続ける。
すると、隣から小さく笑う気配を感じて、遥が口を開こうとしている雰囲気に思わずドキッと心臓が跳ねた。
「なーっちゃん」
その遥の私を呼ぶ声は、一見楽しげでもあるけれど、どこか呆れを含んでいるようにも聞き取れて。
「……何?」
明らかにツンケンした口調で答える私に、遥がまた「ふはっ」と噴き出した。
自ずと、漏れそうになる溜息をのみ込む。
……今日の遥は、なんだかいつもと違って頑固だ。
いつもだったらすぐに折れてくれる遥だけれど、今日は絶対的な自身でもあるのか、全然折れてくれる気配はない。
───でも。
だからといって、私も折れるつもりはないのだけれど。
夕食後、いつものように遥とならんで食器を洗う。
食器乾燥機はあるけれど、遥が私と一緒にキッチンに立ちたいといって、いつも隣に立って彼がお皿を拭くのが日課で。
だけど“いつも”と違うのは、私と遥の間に妙に“距離”がある事だ。
悔しいけれど、それを少しだけショックに感じている自分もいて。
なにもここまで徹底しなくてもいいのに、なんて、自分の事は棚に上げてチクリと心の中で呟いてしまう。
でも、私にも意地があって。
本当、可愛くないなぁって自分でも思うけれど、ここまで意地を張ってしまった手前、今更素直になる事も出来なくて、黙々と食器を洗い続ける。
すると、隣から小さく笑う気配を感じて、遥が口を開こうとしている雰囲気に思わずドキッと心臓が跳ねた。
「なーっちゃん」
その遥の私を呼ぶ声は、一見楽しげでもあるけれど、どこか呆れを含んでいるようにも聞き取れて。
「……何?」
明らかにツンケンした口調で答える私に、遥がまた「ふはっ」と噴き出した。