元ストーカーの夫は、
遥がずっと相良財閥で無表情だったのは、きっと“我慢”していたから。
沢山の我慢を強いられて、きっと彼から表情を奪っていったのだ。
───……だけど、今は───。
私の前では、今でこそ意地の張り合いで変な我慢をしているようだけれど、普段の遥は、『悲しい』『嬉しい』が一目で分かるくらいにはとっても表情が豊かだ。
そう思うと、彼の普段の表情さえも愛しく感じてしまう。
だってそれは、遥が“我慢”をしていないって事だからだ。
一つ一つ、遥を理解して行けば行くほど、愛しさが募る。
愛しさと嬉しさで笑みが溢れた私を、遥は不思議そうに目をパチパチさせながら見ていたけれど、やがて痺れを切らしてしまったのか眉尻を下げながら顔中にキスの雨を降らせてきた。
「なっちゃん、続きは?」
今にも泣き出しそうな彼の“表情”に、愛しさが溢れる。
「……分かった。約束は取り消す」
私も大概彼に甘いなと思いつつも、遥の破顔した顔を見たらそれでもいいかとつられて笑ってしまった。
───……勿論、翌朝には大後悔する事になるとも知らずに。
fin
沢山の我慢を強いられて、きっと彼から表情を奪っていったのだ。
───……だけど、今は───。
私の前では、今でこそ意地の張り合いで変な我慢をしているようだけれど、普段の遥は、『悲しい』『嬉しい』が一目で分かるくらいにはとっても表情が豊かだ。
そう思うと、彼の普段の表情さえも愛しく感じてしまう。
だってそれは、遥が“我慢”をしていないって事だからだ。
一つ一つ、遥を理解して行けば行くほど、愛しさが募る。
愛しさと嬉しさで笑みが溢れた私を、遥は不思議そうに目をパチパチさせながら見ていたけれど、やがて痺れを切らしてしまったのか眉尻を下げながら顔中にキスの雨を降らせてきた。
「なっちゃん、続きは?」
今にも泣き出しそうな彼の“表情”に、愛しさが溢れる。
「……分かった。約束は取り消す」
私も大概彼に甘いなと思いつつも、遥の破顔した顔を見たらそれでもいいかとつられて笑ってしまった。
───……勿論、翌朝には大後悔する事になるとも知らずに。
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