【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
「来てくれてほんとにありがとう。もうバス来てるから、先に荷物だけ入れに行こっか?」
「はい」
「結構多そうだね。貸して」
あっ……。
私のキャリーバッグをさりげなく取って、代わりに持ってくれた佐倉先輩。
方向操作が出来ないくらい重たいはずなのに、先輩は軽々と持ち上げてしまった。
「あの、私自分で持てますので……!申し訳ないです……!」
「大丈夫だって。そんな細い腕じゃ持てないでしょ?さっきから荷物に引き摺られてるみたいだったよ静香ちゃん」
おかしそうに笑う佐倉先輩に、恥ずかしくなって下唇を噛んだ。
「ふふっ、可愛かったけど」
か、からかわれてるっ……。
私、そんなに重たそうにしてたかな……?