【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
そんなに話したこともなければ、和泉くんのことを大して知っているわけでもない。
私の勘違いならいいけれど、心配になってしまった。
……って、私なんかに心配されても、嫌がるだろうな……や、やめよう。
合宿の間は、極力関わらないようにって決めたものっ……。
邪魔にならないように、みんなのお手伝いをするのが私に任された仕事だ。
私たちの横を通り過ぎ、行ってしまった和泉くん。
「ごめんね、あいつ無愛想で」
佐倉先輩の言葉に、どきりと心臓が音を鳴らす。
「い、いえっ……」
「女嫌いみたいなんだよね。あいつ目当ての女子マネも結構いるんだけど、会話もしないし……いつもあんな感じだから気にしないで」
……え?