【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
そして、和泉くんも私に気づいたのか、目が合った途端視線を逸らされた。
……やっぱり、嫌われちゃった、かな……。
こんなことで、落ち込んでしまう女々しい自分が嫌になる。
「お、和泉じゃん、おはよ」
何も知らないだろう佐倉先輩が、和泉くんに声を掛けた。
和泉くんは、少し怠そうにしながら、それに答える。
「……おはようございます」
……あ、れ?
和泉くん……なんだか……
様子が、変。
いつもより、元気がないというか……一言で言うなら、しんどそうに見えた。
嫌いな私に会ったからとか、そういうのではなく、話し方や歩き方から、それが伝わって来たのだ。
……気のせいかな……?