【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
隣で歩く健太くんは、そんな和泉くんを見て、大きくため息を吐く。
「はぁ……相変わらず愛想ないなぁ。俺、同じクラスであいつと仲良いんですけど、いっつもあんな感じで……」
あ……そっか、同じクラス。
一年生同士だもんね……
健太くんの口振りからして、仲が良いんだろう。
「先輩にも態度悪い時とかあって……本当はいいやつなんですけど……」
全然タイプが違うような二人に見えるけど……健太くん、和泉くんのこと信頼してるんだろうなぁ。
健太くんの口調から、それが伝わってくるようだった。
流石に、買いすぎちゃったかな……っ。
パンパンに詰められた買い物袋が、十袋。
それを両手に一袋ずつ……健太くんに関しては、左手に二袋も持ってくれている。