【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
なんか油の塊が浮いてるし……ほんと、何入れたんだろ……。
「……これだったら、リナ先輩の方が100倍マシ……」
「……ごめんな。残していいから……。夜におにぎりかなんか持っていくな」
和泉にそう伝えて、俺はマネージャーの方へと歩み寄った。
「なんなんですかこれ」
カレー指してそういえば、マネージャーのボス格の1人が俺を睨みつけてくる。
「カレーだけど?」
何開き直ってるんだよこの人……。
呆れすぎて、ため息も出てこない。
「部員たちはみんな、部活やって腹すかせてるんですよ?栄養のあるものを出さないと……」
任せっきりにした俺も悪いと思ったから、控えめに注意したつもりだった。
「いや、作ってやっただけでも感謝してよ」
それなのに、随分偉そうに返してくるマネージャーたち。