【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
こうして話せるだけでも夢のようで、急いで返事をしようと口を開いた私。
「あの、臨時で「ーーじゃあ、説明始めます。お前ら静かにしろよ〜!」
あっ……。
私の声を遮ったのは、騒いでいた男の子たちを静めようとした、佐倉先輩の言葉。
今は、話さない方がいいかな……っ。
静かになった室内。
前に立つ佐倉先輩に視線を向けると、資料を持ちながら話していた。
「今から資料回すから、みんな一枚ずつ取って」
前から資料が回ってきて、後ろに回していく。
「じゃあ、ひとつずつ説明していくから、わからないところあったら手あげて聞いて」
そう言って佐倉先輩が説明を始めようとしたけれど、早速前の方にいた男の人が手を挙げたのが見えた。