【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜

「はいはい!佐倉先輩!」

「ん?どうした?」

「あ、あの……」



……え?

なぜか、チラチラと私の方を見ている男の人。

気のせい……には、見えない気が……。



「お前らな……みんな揃って見過ぎ。失礼だろ」



「はぁ……」と溜息を吐いた後、私の方を見た佐倉先輩。



「えーっと、じゃあ先に紹介しとこうかな。静香ちゃん、ちょっと立ってもらってもいい?」



あっ……なるほど。

サッカー部じゃない私がいたから、皆さん変に思ってたんだ……当たり前かっ……。


和泉くんのことで頭がいっぱいで、何にも考えられなかった。


言われた通り席を立つと、視線が私に集中する。



「2年の花染静香ちゃん。合宿の間だけ、臨時でマネージャーしてくれることになりました」

「よ、よろしくお願いしますっ……!」

< 83 / 507 >

この作品をシェア

pagetop