【完】無自覚な誘惑。〜俺だけを見てよ、センパイ〜
深く頭を下げると、なぜかいろんなところから、「うおー!」という声が上がった。
こ、これは……体育会系のノリってやつ、かな……?
もう座っていいかな……と思い、座ろうとした時、
「ちなみに」
まだ何か話があったのか、佐倉先輩が言葉を続けた。
「俺の大事な子だから、手出すの禁止ね。必要最低限以外の会話もダメ」
……え?
「マジっすか!?え!?」
「キャプテン羨ましいすぎっすよ……!」
大事な子、って……?
何故か室内は一気に騒がしくなり、私だけが状況を読めていなかった。
どういう意味だろう?と少し考えたけれど、きっとリナちゃんの友達だからってことだろうな。