【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
「それは確かにちょっと……」

「それだけじゃないのよ。夫婦生活は怖くてできないですって、汚いっていうのよ、意味わかんない。わたし、ばい菌扱いされたの、生まれて初めてよ」

思い出しただけでもはらわたが煮えくり返りそうになった。

「想像以上にひどいな。それで芽衣子さんは何もせずに帰ってきたわけ?」

「そんなはずないでしょう」

彼の顔に〝そうこなくっちゃ〟って書いてある。

他人の不幸にわくわくしないでよ、悪趣味。

「相手の綺麗にしたカラトリーをベタベタさわってやったわ。発狂して頭かきむしってた」

思わず相手の少ない髪の毛を心配してしまうほどだった。

「あはははっ! ひ~それ、あはっ」

おなかを押さえて爆笑しているケイトを睨む。

「ちょっと、わたしを慰めてくれるつもりあるの? さっきからずっとおもしろがっていない?」

「ふはっ、ん。ごめん。でも想像以上でさ、あははっ」

まだ笑い転げているケイトを尻目に、わたしは目の前のグラスの残りを飲み干した。

するとすかさず「同じものでいい?」と聞いてきたので、うなずく。

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