【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました

普段ならば絶対に言わない言葉。

いつも自分のキャラクターを考えて、素直な気持ちもオブラートに何重にも包んでから言葉にする。

けれど今日はなんだか素直に彼に対する気持ちが口をついて出た。

こんな風に素直な気持ちになったのは、いつぶりだろうか。

反応が気になってチラッと彼の方を盗み見た。

もしかしたら、柄にもない言葉を言ったせいで、ひいてる?

しかし彼は軽く目を見開いて驚いた顔をしていた。

そのあと右手で自分の顔を覆い、うつむいてしまった。

ちょっと、そこまで気持ち悪かったってこと?

ショックでグラスを握る手に力がこもった瞬間、隣から聞こえてきた。

「なにそれ、うれしすぎるんだけど」

はっとして彼の方を見ると、彼の眼差しの中に今までと違った輝きを見たような気がした。

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