【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
あったかい……。

穏やかな草原の中にいるようで、心が落ち着く。

いつぶりだろう、こんなにスッキリした朝を迎えられたのは。

最近ずっと疲れていたからなぁ。

ん? 朝……?

パチッと目を開き、目の前にある光景に「ひっ」と小さな悲鳴をあげた。

ダメ、これはたぶんダメなやつ。

ぎゅっと目をつむって、おそるおそる目を開いたけれど状況は変らず。

わたしの目の前には、気持ちよさそうに眠るケイトの顔があった。

呼吸の音さえ感じられる至近距離。彼の顔を見入ってしまう。

昨日はバーのライトが絞られていたので気がつかなかったけれど、きめ細かい肌や長いまつ毛をまじまじと見つめて、うらやましいと思う。

すやすやと寝息をたてているのを見て、気持ちよさそうだな……なんてのんきにしていてハッとする。

勢いよくシーツをめくると、何も身につけていない自分の姿が目に入り……そして思わずシーツの奥の視線をケイトのほうにも向けた。

「エッチ。朝からそんなに見つめて、おかわりする?」

シーツの向こうから声が聞こえて、慌てて顔を出す。

すると肘をついてこちらを見ている彼と目が合い、どうしたらいいのか分からずオロオロした。

「おはよう。芽衣子さん」

にっこりと微笑む彼は、余裕だ。
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