【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
「この調子じゃ、いつになるかわからない。行きましょう」
冷たくかじかんだ手が、ケイトの大きな手のひらに包まれた。
そのまま手を引かれるままに歩きはじめる。
「行くって、どこに行くの? お店だってそんなに長くはいられないでしょう」
「俺の使っているホテル」
「ホテル? ねぇ、どういうこと?」
彼の口ぶりからは定宿のような言い回しだ。
「いいから、いいから。このままここで凍え死ぬつもりですか?」
いや、それは勘弁してほしい。
ぶんぶんと頭を左右に振るわたしを見て、ケイトは軽く笑って歩き出した。
大きな雪の粒が空から降ってくる。はらはら舞う雪の中でお互い白い息を吐きながら歩く。
途中のコンビニで最後の一本だったビニール傘をさしてふたりで並んで歩いた。
「少し歩かないといけないですけど、あそこで待っているよりは全然マシだと思うんで、頑張ってください」
「うん、わかっ……た、きゃあ!」
路面に積もった雪の上を豪快に滑りそうになった。
「おっと、ほんと見かけによらずそそっかしいんですから」
「面目ない……デス」
わたしのお腹に手をまわして支えてくれている。
力強い腕を感じるといつもは年下だと思っているケイトに途端に男らしさを感じてしまう。
……いや、普段は気にしないように〝努力〟しているのだ。
彼は恋愛の対象外だというのを自分に忘れさせないために。
冷たくかじかんだ手が、ケイトの大きな手のひらに包まれた。
そのまま手を引かれるままに歩きはじめる。
「行くって、どこに行くの? お店だってそんなに長くはいられないでしょう」
「俺の使っているホテル」
「ホテル? ねぇ、どういうこと?」
彼の口ぶりからは定宿のような言い回しだ。
「いいから、いいから。このままここで凍え死ぬつもりですか?」
いや、それは勘弁してほしい。
ぶんぶんと頭を左右に振るわたしを見て、ケイトは軽く笑って歩き出した。
大きな雪の粒が空から降ってくる。はらはら舞う雪の中でお互い白い息を吐きながら歩く。
途中のコンビニで最後の一本だったビニール傘をさしてふたりで並んで歩いた。
「少し歩かないといけないですけど、あそこで待っているよりは全然マシだと思うんで、頑張ってください」
「うん、わかっ……た、きゃあ!」
路面に積もった雪の上を豪快に滑りそうになった。
「おっと、ほんと見かけによらずそそっかしいんですから」
「面目ない……デス」
わたしのお腹に手をまわして支えてくれている。
力強い腕を感じるといつもは年下だと思っているケイトに途端に男らしさを感じてしまう。
……いや、普段は気にしないように〝努力〟しているのだ。
彼は恋愛の対象外だというのを自分に忘れさせないために。