あなたに恋のお届けものです
「じゃあ、おやすみ。悠里君。」
「おやすみなさい。」

ガチャ
扉が開いて有紗が出てきた。

「…。」
勝利は息をひそめて、固まっていた。

内心は、こっちを向くな!と叫んでいたが。
もし、有紗が首を90度右に動かしたら。寝ている真由子と、真由子を抱える勝利が見えただろう。

だけど、今にも泣きそうな有紗は早く部屋に帰りたかった。だから勝利の方を見ることはなくて。


有紗が廊下を曲がったとき、やっと勝利は安堵のため息をついた。

「バレずに済んだぜ…。」

そもそも、真由子が寝るからいけないのだ。こんな状況で寝れるなんて。

「こいつバカだ…。」

勝利は自分もバカだなんて思いもせずにそうつぶやいた。

「松田君も相当バカだけどね。あっ…バカップルってわけか。」
「…は?」


恐る恐る振り向くと、ドアから顔を出して悠里がニコリと笑っていた。
「何してるの?」

後日の勝利の証言によると、悠里の後ろから黒いオーラが見えたとか。勝利曰く、あの腹黒い笑顔が恐ろしすぎたらしい。




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