あなたに恋のお届けものです
「ついてきて何が悪いのよ!悠里のこと、侮辱してんの?」

「俺は侮辱なんてしてない…」
「もううるさい!馬鹿野郎!俺様バカアホ男子!」

言うだけ言った私は自分の部屋に走って去っていった。

もう!何やってんだろ。私。いや、充分アイツも悪いけどさ…。

好きにならなきゃいけないのに…。

私の中でいつしか、勝利を好きにならなきゃっという焦りが芽生えていた。

好きにならなきゃ帰れない。
元の世界に帰れない。

現実がのしかかる。

「何で、私が選ばれたんだろう…。」
そう言って、ハッとした。

彼氏欲しいー!けどいい人がいなーい!

これが私の口癖で、ずっと言っていた。元の世界では。 

…これは…チャンス?
イケメンだらけのこの世界で、恋愛をして、彼氏を作れと?

あっ!でも…。もし、私が元の世界に帰るとなったら、勝利はどうなるの?

ゲームのキャラだから置いてけぼり?
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