あなたに恋のお届けものです
ゲームのキャラ?…。そこでハッとする。
こんなときは…困ったときの高浜先輩だ。

「…で、僕のところに来たと…。」
「はい。先輩は唯一の相談役ですから。」
「なった覚えはないんだけど…。」

高浜先輩は私をじっと見つめた。
「お前は鈍感すぎだよ。」
へ?どういうことでしょうか…?

「まあ、俺様君も鈍感かな…。」
ますます意味がわからん。

そして、高浜先輩は冷たく言った。
「永井悠里はゲームのキャラじゃない。外から来た。お前と同じ世界から。」

嘘だ…。悠里が?


もしかして…。私は初めて出会ったときを思い出す。

偶然悠里のお陰で助かったけど…。あれは偶然じゃなかったとしたら?


私は今すぐにでも悠里のもとへと駆け出したい衝動に駆られた。が、高浜先輩に止められた。

「その前に…謝りなよ。松田勝利に。」
あっ…。私はさっき、勝利に言った言葉を思い出した。

何てこと言ったんだよー。私…。

「はいっ!行ってきます。先輩、ありがとうございました。」
私はそう言うかいなか駆け出した。

急いでいかなきゃ!謝らなきゃ!勝利に。

恋とか、悠里とか…まだその後だ。
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