あなたに恋のお届けものです
「勝利!」

廊下を歩いていた勝利を見つけた。
「真由子…何?」
私はまっすぐ、勝利のもとへと向かうと言った。

「ごめんなさい!」
頭を下げた。

「えっ。ちょっと待てよ。ハッ?おいおい。」
勝利が戸惑っている声が聞こえる。

「とりあえず、顔あげろって。なんか俺を見る目が…。」
顔を上げて辺りを見渡すと、生徒が勝利に冷ややかな視線を送っていた。
「あっ…なんかごめん…。」

そのまま続けて言う。
「でも、私ひどいこと言っちゃった。ごめん。」

「いいって。別に。」
えっ?

勝利は笑って言った。
「お前が性悪クソ女だってことはきちんと俺は理解してる。」
な、な、なんだとー!

「どういうこと!」
「うわ!調子戻ったじゃねえか。塩らしい方がいいと思うぞ。荒々しくなくて。」
「うるさい!」

一通り追いかけっこをしたあと、勝利は言った。
「ま、調子戻ったんだったらよかった。そっちの方がお前らしくて俺は好きだけどな!」

す、好きだけどな!?

顔が熱い。いや、そういう意味じゃないと思うよ。勝利って絶対そんなこと言わないし。うん。

「じゃっ!」
廊下に一人でいる私の心臓は、少しバクバクしていた。


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