あなたに恋のお届けものです

「カタッ」

あっ、やっちゃったー。
勝利は音に気がついたのか動きを止めてドアを開けた。

「何してんの?お前。」

ドアの前にしゃがんでいたからこっそり見ていたのはバレバレで。

「別にー。勝利が珍しく練習してるとこなんて見てないから。」
「おい、見てたのかよ!」


いつものようにケンカになろうとしていたとき、私はハッとした。

勝利とあまり仲良くしない、って有紗と約束したばかりじゃないか!


私はうつむいた。
「真由子…?」


私は立ち上がって自分のバッグを持つと、勝利の方を向いて言った。
「ごめん、自主練したいから部屋に戻るね。」

「はっ…」
「じゃあ!」

私は走って寮まで駆けていった。
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