あなたに恋のお届けものです
自主練したいなんて嘘だ。
でも、この後はどうせ暇だから練習しようかな?

私は、自分の部屋に荷物を置くとスマホで音楽を鳴らした。

「…。」

無言で踊る。ポンポンってして、回ってジャンプして…そのあとは…
「ふざけないで!」


ん?誰?
よくよく聞くと、ドアの外で怒鳴っているようだ。

私はこっそりドアを開けた。
「役立たず、いない方がましだわ。あんたなんか。」

ひっど!誰?
それは、…寮母さん。あんなに優しそうに見える寮母さんが?
いったい誰に?


私はそんな気持ちをおさえられずに、もう少しドアを開けるとひょこっと頭を出した。

「…えっ。」

私は思わず声を出してしまった。
だって、寮母さんに怒鳴られているその人は…



悠里だったから。
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