あなたに恋のお届けものです
「あら、藤川さん。」
やばい!声を出してしまったからばれてしまった。

「あっ、えっと…すみません!大きな声が聞こえて…。」

「…そう。」
怖いです、寮母さん。

「まあいいわ。悠里、あなたには失望した。」

そう言って寮母さんは立ち去っていった。
残ったのは、私と…悠里。
「「…」」


気まずい…。

「驚いたでしょ?真由子さん。」
私は無言でコクコクと頷いた。

まさか寮母さんがあんなに怖かったなんて、
「俺さ、寮母さんの本当の息子じゃないんだ。」

…まあ、悠里はここの世界の人じゃないらしいからね。

「だから厳しいの?」
「ううん。…長くなるけどいいかな?」

ずっと気になっていたこと、こんな形で知るなんて、私は思ってもいなかった。



今思えば、悠里の心の闇は想像以上に大きくて、私は軽く見ていたんだろうな。
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