懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
ロメオの父親がコナヒキー家の主人を悪く言えば、周囲から賛同の拍手が沸き、酔っ払いたちが「そうだ、そうだー!」とやかましく盛り上がる。

テッコーマン家の主人が、片手のビールをグイッと煽ってから、周囲と会話するように話しだした。


「この領地が潤ってるのは誰のおかげだ?」

「テッコーマンの旦那率いる、鍛冶屋組合のおかげです!」

「そうだとも。俺たちが汗水垂らして交易品をこしらえているからだ。小麦生産を最重要産業にしろと訴える、コナヒキーと農民どもは許せねぇ。今度また伯爵に訴えるような真似しやがったら、この俺がぶちのめしてやる!」

「さすが組合長! 頼りにしてるぜ!」


割れんばかりの歓声に、ラナは思わず耳を塞ぎ、カイザーは不快そうに顔をしかめた。

ここにいたら鼓膜が破れてしまいそうなので、ふたりは逃げるように外へ飛び出し、時計塔のある広場まで移動した。

ここまでくれば酒場の声は届かず、美しい星空の下には、静かで平和な夜が広がっているだけである。
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