懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
しかし、ルーモン伯爵に同情はできない。
揉め事の噂を耳にした政府が質問状を送っても、正直に回答しなかったからだ。
困っているのなら政府に助けを求めればいいものを、領民をコントロールできない無能さを知られるのは恥ずかしいのか、隠そうとしたところが気に入らない。
己のプライドより平和を守れと、ラナは言ってやりたくなっていた。
不愉快そうに眉を寄せた後、「カイザー、帰るよ。今夜はコナヒキー家に戻って寝る」と言って、ラナはスタスタと歩き出す。
隣に並んだカイザーは、彼女の顔を覗き込んで不思議そうな顔をする。
「親父たちを説教するのはやめたのか? 諦めるなんてお前らしくないな」と訝しめば、ラナに横目で睨まれた。
「誰が諦めると言ったのよ。酔っ払いになに言ったって無駄だろうから明日にするだけよ。ジュリエッタの恋路から障害物をどけてあげるつもりだし、領民たちの争いにもきっちり決着をつけてやるわ」
ラナの心についた火は消えていないどころか、メラメラと勢いを増している。
ドスドスと王女らしからぬ勇ましい歩き方で、「意地でもジュリエッタを幸せにしてやるんだから!」と過剰なまでに意気込んでいるのは、同情の他に、元からの性分も関係しているようだ。
「そういや、昨年、観にいった芝居で、お前は舞台に乗り込みそうになったよな……」
そう言ったカイザーが、思い出し笑いをしている。
揉め事の噂を耳にした政府が質問状を送っても、正直に回答しなかったからだ。
困っているのなら政府に助けを求めればいいものを、領民をコントロールできない無能さを知られるのは恥ずかしいのか、隠そうとしたところが気に入らない。
己のプライドより平和を守れと、ラナは言ってやりたくなっていた。
不愉快そうに眉を寄せた後、「カイザー、帰るよ。今夜はコナヒキー家に戻って寝る」と言って、ラナはスタスタと歩き出す。
隣に並んだカイザーは、彼女の顔を覗き込んで不思議そうな顔をする。
「親父たちを説教するのはやめたのか? 諦めるなんてお前らしくないな」と訝しめば、ラナに横目で睨まれた。
「誰が諦めると言ったのよ。酔っ払いになに言ったって無駄だろうから明日にするだけよ。ジュリエッタの恋路から障害物をどけてあげるつもりだし、領民たちの争いにもきっちり決着をつけてやるわ」
ラナの心についた火は消えていないどころか、メラメラと勢いを増している。
ドスドスと王女らしからぬ勇ましい歩き方で、「意地でもジュリエッタを幸せにしてやるんだから!」と過剰なまでに意気込んでいるのは、同情の他に、元からの性分も関係しているようだ。
「そういや、昨年、観にいった芝居で、お前は舞台に乗り込みそうになったよな……」
そう言ったカイザーが、思い出し笑いをしている。