懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
ラナの失礼な感想はどうやらイブシゲルの耳に届いてしまったらしく、振り向いた彼にジロリと睨まれた。
「当たり前だ。燻製工場など、どこも似たようなもの。うちに秘密の製法などはない。わかったなら、もう帰れ」
煩わしそうな顔に、傲慢な口調。
それを腹立たしく思うより、今は帰れと言われたことに正直な不満をぶつけてしまう。
「なにも収穫なしで帰れないよ。そうだ、玄関の横に事務室があったわよね。その中も見せてもらえないかしら?」
胸の前で指を組み合わせたラナは、小首を傾げてお願いする。
精一杯、愛らしくしたつもりであったが、イブシゲルは若い娘の頼みだからといって聞いてくれるような男ではないらしい。
ますます顔をしかめられ、「事務室には大事な交易台帳をしまっているんだ。よそ者を入れるわけないだろ!」と怒鳴られた。
さらに悪いことには、ラナたちの頭から爪先までに視線を流したイブシゲルに、「お前たち、本当にただの食肉加工業者なんだろうな……?」と疑われてしまう。
麻薬密造を探ろうとしていることに勘付かれては、こちらが困ることになる。
怪しまれてギクリとしたラナであったが、イブシゲルの視線が急に壁際に移ったと思ったら、「こら、なにをしている!」と誰かを叱り始めた。
その方向にラナが振り向けば、イワノフが集団から離れ、ひとりだけ窓際にいるのが見えた。
「当たり前だ。燻製工場など、どこも似たようなもの。うちに秘密の製法などはない。わかったなら、もう帰れ」
煩わしそうな顔に、傲慢な口調。
それを腹立たしく思うより、今は帰れと言われたことに正直な不満をぶつけてしまう。
「なにも収穫なしで帰れないよ。そうだ、玄関の横に事務室があったわよね。その中も見せてもらえないかしら?」
胸の前で指を組み合わせたラナは、小首を傾げてお願いする。
精一杯、愛らしくしたつもりであったが、イブシゲルは若い娘の頼みだからといって聞いてくれるような男ではないらしい。
ますます顔をしかめられ、「事務室には大事な交易台帳をしまっているんだ。よそ者を入れるわけないだろ!」と怒鳴られた。
さらに悪いことには、ラナたちの頭から爪先までに視線を流したイブシゲルに、「お前たち、本当にただの食肉加工業者なんだろうな……?」と疑われてしまう。
麻薬密造を探ろうとしていることに勘付かれては、こちらが困ることになる。
怪しまれてギクリとしたラナであったが、イブシゲルの視線が急に壁際に移ったと思ったら、「こら、なにをしている!」と誰かを叱り始めた。
その方向にラナが振り向けば、イワノフが集団から離れ、ひとりだけ窓際にいるのが見えた。