懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
ふたりは積み上げられた木箱を崩し、麻袋の中のウッドチップをぶちまけ、吊るされたベーコンの下をドタバタと駆け抜ける。

ついに堪忍袋の尾が切れたイブシゲルが、「野郎ども、こいつらを外につまみ出せ!」と叫んだら、強面の従業員が三十人ほど集まってきた。

ラナたちは今は暴れるつもりはなく、されるがままに大人しく、門の外まで追い出される。


鉄の門を音を立てて閉め、さらに鍵までかけたイブシゲルが、「二度と来るな!」と怒鳴りつけて背を向けた。

足を踏み鳴らすようにして、従業員たちと一緒に建物内に戻っていく。

それを見守っていたラナたちは、がっかりしてすごすごと宿屋へ引き揚げる……のではなく、敷地を囲う鉄柵に沿って進みながら、ヒソヒソと次の作戦を企てていた。


イワノフが「どうやら日の高い間はベーコンを作っているだけのようじゃの」と言えば、オルガが頷く。

「収納庫や麻袋、木箱の中にも麻薬やその原料が隠されてはいませんでした。夜になったら、別の部屋から出してくるのでしょう。証拠を掴むには、夜に忍び込むしかありません」


ラナは顎に手を添えて眉を寄せつつ、意見する。

「私は事務室が怪しいと思うのよね。交易台帳があると言ってたけど、それってベーコンのことだけじゃないと思うの。麻薬取引に関する台帳を手に入れたいわ」
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