懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
結局、どうやって潜り込もうかという、元の問題に戻される。

目の前を見張りが九十秒ほどの間隔で通り過ぎ、ラナたちはずっと身を潜めるのみ。

「休憩や交代で、巡回が途切れる時間があればよいのじゃが……」


イワノフは好機を信じて待つしかないと決めている様子だが、ラナは辛抱するのがつらくなり、腰に差している剣をぎゅっと掴んだ。

(じっとしているのは嫌いよ。私ひとりなら難なく入れるのに、どうして反対するのかしら。この私が、ヘマするはずがないじゃない……)


ついに、ラナのウズウズがピークに達する。

それに気づいたオルガが、「姫様、厠に行きたいのですか?」と勘違いをして問いかけた。

「違うわよ!」と怒りつつも頬を赤らめたラナであったが、すぐに緊張感を取り戻して息を潜める。

ランプを手にした見張りの男が、目の前を通り過ぎたからだ。


その男が去ってすぐ、ラナはパッと草陰から飛び出すと、鉄柵の欠損カ所に身を滑り込ませ、勝手に工場の敷地内に入ってしまった。

「馬鹿、戻ってこい!」と慌てたカイザーが柵越しに片手を伸ばしたが、ラナは捕まらないように素早く鉄柵から離れる。
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