懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
それで彼女は、腰にぶら下げていた小型ランプをマントの下から取り出すと、火を入れることにする。

通路は無人でドアに鍵もかけた。

きっと見つからないだろう、と考えての判断だ。


オイルランプにポッと火が灯れば、暗がりに慣れた目には眩しく感じられる。

(さあ、交易台帳を探すわよ!)


狭い室内は、それほど動き回れるスペースはなく、家具は執務机とテーブルセット、書棚がふたつだけである。

ラナは書棚に収められていた本や書類を引っ張り出して床に広げ、机の引き出しも全て開けて中のものを確かめた。

しかし、ベーコンに関するものばかりである。


部屋の真ん中に佇む彼女は、顎に手を添えて「うーん」と唸る。

自分ならどこに隠すか、と考えているのだ。

ランプの明かりを掲げるようにして部屋を照らし、その場でゆっくりと回転するラナは、半周したところでピタリと足を止めた。

(あそこじゃないかしら……?)


そう閃いて近づいたのは、ドアから最も遠い壁にかけられた一枚の絵である。

事務的で殺風景な部屋の中で、有名画家の高価な風景画だけが異質であった。
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