懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
左手で交易台帳を抱えたラナは、右手の人差し指で頬を掻く。

手紙を読んだ当時の、歓喜した気持ちまで思い出し、なぜかくすぐったくなっていた。


しかし、懐かしい思い出に呑気に浸ってもいられなくなる。

ドアの外に物音が聞こえ、ラナはハッと振り向いた。

慌ててランプの火を消そうとしたが……その前に鍵とドアが荒々しく開けられて、見つかってしまった。

ランプを手にドア口に立っているのは、イブシゲル。

なにかやり忘れを思い出して工場に来たのか、それともこの時間帯にいつも現れるのかはわからないが、ラナがピンチに陥ったのは間違いない。


「お前は、昼間の娘!?」と目を見開いたイブシゲルは、ラナの手に交易台帳があるのに気づくと、焦りと怒りを顔に表す。

「おのれ……怪しい奴らだと思ったが、やはりただの食肉加工業者ではなかったんだな」


ギリリと歯噛みした彼は、作業場の方を向いて大声で呼びかける。

「野郎ども出てこい! 侵入者だ。取っ捕まえろ!」
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