懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
一方、ラナのみならずオルガも、カイザーの同席に否定的な気持ちはないようである。

「カイザーさん、どうぞこちらにお座りください」と促す口調は、いつもの彼女らしい淡々としたものだ。

けれども、なぜか普段の彼女なら見せない作為的な笑みを、わずかに口の端に浮かべていた。


「いや、俺はーー」

悩んだ末にやはり断りを口にしかけたカイザーであったが、それを遮るように廊下から女性が声をかけた。

「騎士様、あの、申し訳ございませんが、そこを通していただけますか……?」

麗しき王城騎士を前にして、恥ずかしげに頬を染めた若いメイドが、ワゴンを押してきたのだ。

ワゴンの上には、ティーポットと三つのカップ、ミルクやレモン、シュガーがのせられている。


「失礼しました」とカイザーが横へずれたら、会釈してメイドが入室し、ドアを閉めた。

すかさずラナが、彼に声をかける。


「そんなとこに突っ立ってたら、邪魔に決まってるじゃない。早く座りなよ」

「いや、しかしーー」

「もう私の部屋に入ってるんだから、グダグダ言ってないで、男らしく諦めなさい」

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