懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
立ち上がって紅茶を注いでいるオルガは、「はしたないですよ」と真顔で一応たしなめる。

けれども、「まぁ、私も見ていないことですし、注意はできません。ご自由にどうぞ」と、よくわからないことを言った。


スコーンを食べ始めているラナが「ん?」と首を傾げたら、オルガはクスリと笑い、紅茶を注いだティーカップを、ラナとカイザーの前にだけ置いた。

オルガの分の紅茶を淹れたなかったのは、どうしてなのか……。


「女王陛下、私は他にやることがありまして、お茶を楽しんではいられません。あとはご自分でお願いします」


そう言った彼女がふたりに背を向け、ドアへと歩き出したので、慌てたカイザーが立ち上がった。

「おい!」

しかしオルガは振り向きもせず、足早に廊下に出ていってしまい、ドアは閉められた。

おそらく、やることがあるというのは嘘で、ラナたちをふたりきりにしてあげようと企んだのであろう。


その気遣いにカイザーは焦っているが、ラナは呑気なものである。

ふたつのクッションを枕に、横向きに長椅子に寝そべると、手掴みでアプリコットパイを食べながら、モゴモゴとした声で「座りなよ」と言った。


「オルガはまだ仕事があるって言うんだから、仕方ないじゃない」

「このアホ! これが由々しき状況だと、わからないのか?」
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