真実(まこと)の愛
仕事帰りで「腹が減ったな」と守永が言うので、麻琴が「杉山くん、なにかお願いできる?」と所望すると、杉山は「かしこまりました」と応じて、早速牛肉のカルパッチョを出してくれた。
そのあと、魚介のアクアパッツァ、さらにその鍋にごはんを「投入」してのチーズリゾットへと続く。
ポーカーフェイスで、会社ではあまりはっきりと喜怒哀楽を見せない守永ではあるが、
「すんげぇ……旨いわ、これ」
と唸りながら、すっかり相好を崩している。
杉山は学生時代からいろんな飲食店でアルバイトしてきていて、その中にはスペインバルやイタリアンバールもあった。