真実(まこと)の愛

「……すごい、サイズぴったりだ!
麻琴はヘレナおばあさまと背格好が似てるから、もしかしたらって思ってたけど。
やっぱり……きみは僕の運命の人だったんだね‼︎


……いやいやいや。シンデレラの靴じゃあるまいし。一回落ち着いてよ、「王子さま」!
日本のリングサイズで十一号の女性なんて、世界中に腐るほどいるからっ⁉︎

「大きさはわからなかったから、合わなければサイズ直しに出そうと思ってたんだけど。
……これなら、今から死ぬまでずーっと毎日つけていられるね!」

……い、『今から死ぬまでずーっと毎日』っ⁉︎

確かに、海外では普段から婚約指輪(エンゲージリング)結婚指輪(マリッジリング)を重ねづけしてる人がいるとは聞くが。

「……あ、もしかして、面識のない故人の外国人がつけていたものって抵抗ある?
だったら、麻琴が気に入った新しいのを買い直すよ。でも、僕としては祖母のリングを、形だけでも麻琴に受け取ってほしいんだけど」

「ええぇっ⁉︎『買い直す』なんて、とんでもないっ!」

麻琴が思わず叫ぶと、

「ありがとうっ!亡くなった祖母もきっと天国で喜んでるよ‼︎」

恭介は感激の(おも)持ちで麻琴を引き寄せた。


……ちょっと、ちょっと、待ってえぇーーーっ!

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