真実(まこと)の愛

その後、今度は三人で集まって呑むことになった。

すると、お酒が進むにつれて彼女たちがそれぞれの夫を関西弁で罵りだしたため、麻琴はびっくりした。彼女たちは関西出身だった。

挙げ句の果てには、

『麻琴ちゃん、和哉を懲らしめて「仇」とったるわっ!任しといてっ‼︎』
『そうや、そうやっ!智史みたいな「オンナの敵」には「天誅」やっ‼︎』

そう叫んで、真剣な顔で夫への「報復措置」としての「制裁」をあれこれ考え始めた。

そんな彼女たちを、
『いいのよ、もう過ぎたことだから』
麻琴は逆に(なだ)める羽目になった。

いつの間にか、なんだかよくわからない妙な「連帯感」が芽生えていた。

……あなたたちの思考回路、混線してショート寸前になってるけど、大丈夫なの?
それとも、そういう「校風」なのかしら?

麻琴は唖然としながらも、それ以降折を見て、たびたび「女子会」が開かれるようになった。

すると、結婚したり独身でも仕事が多忙を極めたりしてだんだんと疎遠になっていく学生時代の友人たちとは反比例して、彼女たちとはだんだんと心置きなく話せる間柄になっていった。

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