真実(まこと)の愛
「ふうん……別に『女性』じゃなくてもいいんじゃないのか?」
一同が「はい?」という顔になる。
「一人暮らしの男だってさ、『うちに帰ってよかったな』って思いたいもんだぜ?」
「なぁ?」と守永が上林を見る。
「まぁ……最近は家で料理をする一人暮らしの男も増えてるみたいですしね」
どうやら、上林は一人暮らしのようだ。
「インテリアに関しても、一人の時間を快適に過ごしたいとか癒されたいとかで、『自分のプライベートな空間』を充実させることを望んでいてもおかしくないんじゃないっすか?」
ユニセックスな文具から離れて、生活雑貨に移ってきた麻琴は、これからは「女性」をターゲットにしたモノづくりをするとばかり思っていたが。
……どうやら、その考えは古かったようだ。