ゆうくんとわたし
いつもとは違う日
「みんな席についてー」

担任の先生が教室に入ってきた。それまでグループになって話していたクラスの子もそれぞれの席に座る。

「おはようございます。今日は新しいクラスメイトが来る日ですね。さっそくだけど、紹介しちゃおうかな。」

クラスがざわざわし始めた。僕も興味なかったはずなのに、そわそわしてきた。

「それじゃあ、入ってきてください。」

---ガラガラガラ

入ってきたのは女の子だった。さっきまでざわざわしていた教室はしーん、となってみんな女の子を見ている。

「転校生の星野 夏さんです。星野さん、挨拶してくれる?」

先生が紹介すると

「よろしくお願いします」

優しい声で挨拶した。

髪が長くて、赤いランドセルを背負っていた。

「星野さんの席は後ろの方のあの席ね。」

そう言って先生は僕の後ろを指さす。

女の子は分かりました、と返事すると静かに席に座った。

いつもの朝がいつもの朝じゃなくなった。

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