ふたりの関係には嘘がある~俺様エリートとの偽装恋愛は溺愛の始まり~
「ねぇ。さっきからずっと見てるけど、まだ決まらないの?」
「いや。決まった」
そう言って実松くんが注文したのはカルボナーラにシーザーサラダ、クランベリーアイスとアイスミルクティー。
「私も同じものをお願いします」
「え?全部同じでいいんですか?」
店員さんに確認を取られた。
でも、全て同じで間違いない。
「大丈夫です。お願いします」
そう答えると店員さんは首を傾げながらも頷き、厨房へと向かった。
「サラダは5種類。パスタは10種類。デザートは6種類。飲み物はアイスホット混ぜて10種類。これだけ選ぶのがある中で全部同じとは。お前たち、味覚が似てるんだな」
安藤さんの言い方は「いがみ合うほど仲が悪いのに」って言いたげな感じがした。
「ちなみに…」
安藤さんは、興味があるのかこの話を続けるようだ。
「パンとご飯ならどっちが好きだ?」
私と実松くんに投げ掛けられた質問の答えは…
「ご飯」「ご飯」
「じゃあ、和菓子と洋菓子は?」
「和菓子」「和菓子」
ちなみに和食と洋食ならふたりとも和食、魚より肉、お酒はワインよりビール、ビールより甘いカクテル、だった。