俺様外科医と偽装結婚いたします
「私と交際を続けたいって……本気、ですか?」
緊張感が伝わったかのように、環さんがほんの少し目を見張る。
「さっきの言葉はすべて俺の本音だ」
真剣な面持ちで告げられた思いにきゅっと胸が締め付けられた。
私に特別な感情を抱いてくれていると思って良いのかな。
銀之助さんや菫さんのことに対する不安や疑問は消えていないというのに、くれた言葉が嬉しくて気持ちが舞い上がる。
ぎこちなく笑いかけると、環さんも自嘲ぎみに笑い返してきた。
「実はさっき、咲良さんを俺にくださいって言いそうになって、でもそれじゃあ順番が違うだろって気がついて内心慌てた」
徐々に穏やかなものへと変わっていく面持ちに、とくりと鼓動が跳ねた。
「好きだよ」
彼の指先が私の頬に触れた。心に甘い痺れが走ったのは、彼のくすぐったい指先と艶めきを伴った低い声音と熱い眼差しのせい。
「笑っていても怒っていても、寂しそうな時も目が離せない。俺には咲良のすべてか眩しくて、いつの間にかこのままずっと一緒にいられたら良いのにって思うようになってた。幸せにしてあげたいと思う存在も、この人の隣で幸せになりたいと感じることも初めてだ」