フェイク☆マリッジ 〜ただいまセレブな街で偽装結婚しています！〜 【Berry’s Cafe Edition】

『LEIKAさんご夫妻、ほんとラブラブですよねー！憧れちゃうなぁ……』

——どこがっ⁉︎

と、声を大にして叫びたいところだけれども、ふふふ…と曖昧に微笑んでおく。

政略結婚&契約結婚による絶賛「白い結婚」継続中の身にとっては、世間の皆様の「美しい誤解」が必須アイテムなのだ。


『あ、それから……ご依頼が一つ、来てるんですよね』

——えっ、新しいお仕事っ！ もう来たのっ⁉︎

思わず身を乗り出す。

『えーっと、ご依頼と言ってもお仕事ではなくて……』

——なぁんだ……

一気にがっくりと力が抜ける。


『あるテレビ局のディレクターが、LEIKAさんのイン◯タをご覧になって……
まだ先の撮影で企画段階のため、実際にどうなるかは未定らしいんですが、一度そちらの洋館を下見(ロケハン)したいっておっしゃってるんですよ』

——この洋館(いえ)を……？

『ご主人といっしょに住まわれているお宅ですから、無理にとは申しませんが……』

——あの人は「生活費」という家賃を払って住まわせてやっている「店子(たなこ)」ってだけだから。


『もし差し支えなければ、撮影クルーのロケハンだけでも検討していただけないでしょうか……？』