フルール・マリエ


私の母には千紘と付き合い始めた事が初日にバレていた。

何せ、家の前に停車した車の中でしばらくごちゃごちゃしていたので、母が不審がって窓から覗いた時に、千紘の車だと理解したらしい。

そして、抱き合っているところも目撃したそうだ。

こっちは恥ずかしかったものの、母の方はそんなことは気にしておらず、千紘を彼氏にするなんて良くやった、と褒められた。

そこからは勝手に私達の未来予想図を描いて、千紘が息子になった時の想像を巡らせ、千紘の好きな料理は何か、練習しておかないと、と母の方が張り切っていた。

なので、千紘の家に挨拶に行くことを告げると、ファッションと手土産のアドバイスを口うるさくしてきた。

それで、彼氏の家へのお呼ばれスタイルなるものが完成した。

「おしとやかそうな聖もいいね」

普段はカジュアルな服装を好む上に、通勤時はジャケットなどかっちりした服だから、ふんわりとしたロングスカートなどはまずはかない。

母の持ち物なわけだが、千紘には好印象だったようで、こういう格好もこれからは取り入れていこうかな、と考えた。


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