君と描く花言葉。




「そうだな……。どの花を描こうか」


「うーん……あ、マーガレットはどう?」



ここにある花の花言葉は、ほとんど全部セイジに教えてもらった。


『真実の友情』。マーガレットの花言葉だ。



これなら、相手の世界も描けそうな感じがするでしょ?



「マーガレット……『真実の友情』?
ふふ。いいね。そうしよう」



セイジがマーガレットを温室から運び出すのに合わせて、家の中から新しいキャンバスを取ってくる。



こうやって2人で準備するのにも、もう慣れっこだ。



「それで、どうやって描くつもりなの?」


「ん〜…どうしよう」


「えぇ。ノープラン?」


「うん。全くの。
さっきは突然やってみたくなって言ったけど。
どうやって、は考えてなかった」


「あは、セイジも結構突飛な行動するね。
まあ、それでも出来ちゃいそうなのがすごいところ」


「うん。出来るまでやるから、そのうち出来るよ」


「おぉ!頼もしい」


「まずは……うーん、どうしようかなぁ……」



マーガレットを見ながらうんうん唸り始めたセイジの横に椅子を持ってきて、そこに座る。


こんなに悩んでるセイジを見るのは初めてだ。


いつもは新しく仕入れてきた花でもサラサラっと描き始めちゃうものだから、こういうのはすごく新鮮でおもしろい。




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